この人の文章はレモン水みたいだ。
押し付けがましくなく、甘ったるくもなく
すうっと血液に流れ込んでくる。
もしかしたら浄化作用さえある。
はっとする表現が二言三言ある。
たった二言三言である。
ほかは淡々と、何気なく、川の流れを作るだけだ。
しかしその言葉に出会ったとき、私は身動きすら取れない。
ただ何度も何度もその文字列を目で追いかけ
繰り返し頭の中で唱えては声に出さずにはいられなくなる。
瞬時に頭も身体も捕われ、言葉は私を放さない。
あとは物凄く普通。
こんなに自然に、呼吸をするように文章を書ける人がいるだろうか。
だから私も、呼吸をするようにこの本を読む。
ヨガが流行っているけれど、
デトックスって読書でも可能かもしれない。
文字は血液中にさらりと溶け手足の緊張を解してくれる。





