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2006/12/02//Sat * 22:10
●○デブになってしまった男の話

デブになってしまった男の話 デブになってしまった男の話
鈴木 剛介 (2006/09)
求龍堂

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なにやら面白そうだと、装いに惹かれて購入。


期待を裏切らず、たっぷり楽しませてくれた。
途中で本を置く気にもなれず、軽々と一晩で読めてしまう。

挿絵も、本文よりはいささかシュールだが、
単純な絵が「この本はただ面白がって読んでくれればいいんですよ」
と言ってくれているようで、こっちとしては気が楽だった。

とりあえず一人の男の人生を可笑しく綴ったストーリーで、
最後は期待通りのハッピィエンド。
その男というのが、人物像がつかみにくい。
いや、つかめたと思ったらデブになってしまうので、またつかみなおし。
というわけで結局よくつかめない。
でも面白い。

どちらかといえばその男の人生を狂わせた直美像のほうがはるかに分かりやすい。
そして直美はとっても魅力的だ。

心の想いの描写は、リアリティに富んでいる。
ひとつひとつの表現がいやみでなく、どれもが自然で、なお生きている。
さりげないのだけれど心を掴まれるような文章が数え切れないほど多い。
つまり、うまい。

それから、心に残るエピソードもある。
主人公たちが、「幸せとは何か」について考えるシーン。
そこのシーンを思い出すとき、“あの本にこう書いてあったな”ではなくて“あのとき大介と直美がこんなこと言ってたな”という形で思い出す。
作者の伝えたいことが、押し付けがましくなく、説明的でもなく、
単にエピソードのひとつとして物語に溶け込んでいて、無理がない。

どうも私は、「これも書きたい」「あれも書きたい」と作者の主張が見える・・つまり主人公にやたらと語らせすぎる小説は苦手である。
そう感じた時点で、小説を読む気にならなくなってしまう。
それならばエッセイでも書けばいいじゃないかと思うからだ。

その点、この作品には好感が持てた。
何度も読めば、また違った捉え方ができそう。
面白いだけじゃなくって、実はいい話でもあるのだ。




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