医学にとりわけ興味があるわけではないけれど、無関心なわけでもない。
私と同じように、そう感じている人は意外と多いのではないだろうか。
“ちょっと気になる”医学界。
なぜちょっと気になるのか。自分の身体に関係があるからである。
医療ミス、薬の調合ミス・・・そんなニュースをマスコミが流すたびに、
わたしたちは不安にかられる。
もし自分だったら?
自分の身体がそんなことで機能しなくなってしまうとしたら?
そういう恐れを抱く反面、困ったときはやはり医者に頼らねばなるまい、との考えをも持つ。
だからこそ、自分がいつでも関わりうる医学界から目を離せないのだろう。
しかし医者は神様ではない。
そのことを、1人の人間としての医者の内面に大きく触れながら明かすのがこの本だ。
医者が万能でないことくらい、今はだれもが知っている。
だがいざと言うときに、本当に冷静に医者と取引を交わすのはまだまだ難しいようだ。
筆者はこう言う。
医者は商売である、と。
医者と患者との関係は、親と子との関係であってはならない、と。
患者も賢くならねばならないのだ。
この本は、医学界に関して大きく触れていることはもちろん、
執刀医としての筆者みずからが心の内を明かしている。
手術のとき、医者はどんな気持ちでいるのだろう?
少しでもそんなことを不思議に思うならば、ぜひこの本を手にとって見てほしい。
医者の気持ち。
日本の医学界。
日本の医者の立場。
物書きが職業でない筆者だからこそなのか、
難しいテーマを挙げているようでじつはとても読みやすい文章になっている。
誰にとっても分かりやすいことは保証できるだろう。





